Wayang Peranakan]
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ベテラン女形俳優が12年ぶりに舞台に復帰。プラナカン伝統演劇 『ダブルフェイス – Kain Chik Dua Mungka -』

プラナカン文化を継承する団体であるグノン・サヤン・アソシエーション(GSA:Gunong Sayang Association)は、2017年8月25日(金)と26日(土)にプラナカン伝統演劇(Wayang Peranakan)の定期公演を開催します。今年は、プラナカン舞台俳優であり、ベテランの女形役者でもある GT Lye 氏(79歳)が12年ぶりにプラナカン演劇の舞台に戻り、『ダブルフェイス – KAIN CHIK DUA MUNGKA -』で主役を演じます。

中国・マレー・ヨーロッパ文化の融合、プラナカン文化とは

プラナカン文化は、マレー人と中国人の両文化が融合して生まれたものであり、シンガポールの多民族・多文化の社会文化的景観の縮図と言えます。GSAによって守られているプラナカンの伝統演劇は、その社会文化的景観をさらに強調する、重要な文化的芸術です。
― GSA代表 Baba(Mr) Alvin Teo

プラナカン文化

プラナカン文化についてあまり詳しくない方でも、華やかな絵柄の器を目にしたり、

プラナカン文化

このようなお菓子(ニョニャ・クエ)を食べたりしたことはあるのではないでしょうか。

プラナカン文化

カラフルで豪華な色使いと、ビーズ刺繍に見られる精緻な装飾も特徴の1つです。

プラナカン文化

観光名所になっているパステルカラーの建造物や、色彩豊かで美しい陶製のタイルをシンガポール市内で目にしたこともあるでしょう。

若い世代にプラナカン文化を伝承する – GSAの役割について

Gunong Sayang Association

グノン・サヤン・アソシエーション(GSA)は、1910年に設立されました。プラナカン文化を忠実に継承する、シンガポールで最も古い団体の1つです。シンガポール人、特に若い世代にプラナカンの文化遺産を伝える役割を担っています。GSAでは、プラナカンの言語、料理、ビーズや刺繍などのアートワークを教え、伝えるために文化交流やクラスの開催を行っています。

プラナカン伝統演劇「Wayang Peranakan(ワヤン・ペラナカン)」は、生粋のプラナカン達によって演じられる大衆芸能です。1900年代からプラナカンの人びとの間で代々継承されてきました。マレー語に中国福建地方の言葉を取り入れた言語である、ババ・マレー(Baba patois)と呼ばれるプラナカン独自の言語で演じられます。

『ダブルフェイス – Kain Chik Dua Mungka – 』の内容と見どころ

『ダブルフェイス - Kain Chik Dua Mungka - 』の出演者

『ダブルフェイス – Kain Chik Dua Mungka – 』の出演者
左上段より、Eugene Tay、Yong Ming、Kelvin Tan、Frederick Soh
左下段より、Christina Wee、GT Lye、Cynthia Lee、Audrey

『ダブルフェイス – Kain Chik Dua Mungka – 』は陽気なストーリー展開です。1980年代に、プラナカン伝統演劇(Wayang Peranakan)を復活させるために尽力したメンバーの1人、Baba(Mr.) Quek Choon Juan 監督の指揮によって上演された演目です。8月に上演する2017年版は、現在のプラナカン演劇界で有名な Frederick Soh 氏とTony Quek 氏 が脚本と演出を担当します。Frederick Soh 氏は、Bibik Bisu の長男 Chong Guan として出演もします。

左:Bibik Bisu(Chong Guan の母親)、右:Ah Nui(新しく雇われたメイド)

あらすじ

長男 Chong Guan の家族と一緒に暮らすことになった母親 Bibik Bisu は、長男の嫁(第1夫人) Poh Geok に不満をもっていました。母親が Bettyという第2夫人を迎えるよう息子に勧めたことがきっかけで家族抗争が勃発。良妻賢母だと思っていた嫁が、実は…そうではなかった!家族間で繰り広げられる裏切りの数々。

子どもにかまってしまう母親から他人のことに首を突っ込むことが好きな人々まで、万華鏡の様にカラフルで華麗なプラナカン演劇に引き込まれること間違いなしです。

左:Au Man(Poh Geokの母親のヘルパー)、右:Poh Geok(第1夫人)

母親役(Bibik Bisu)は、BABA GT Lye 氏が演じます。プラナカン伝統演劇では、古くから女性が舞台に立つことが好ましくなかったので、男性が女装をして演じてきました。

こちらは、メディアプレビューの様子です。出演俳優が演目の一部を披露してくれました。

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12年ぶりにプラナカン演劇に出演、女形俳優 BABA GT LYE 氏 とは

Baba(Mr.) GT Lye は、俳優、演出家、劇作家。特にマレー舞台芸術に情熱を注いできた伝道師として広く知られています。30年以上前から現在に至るまで、プラナカン伝統演劇 (Wayang Peranakan)の保護・継承に尽力しています。

※ババ(Baba)はプラナカンの「男性」、ニョニャ(Nyonya)は「女性」という意味です。

1930年代から広く演じられるようになった女形の発祥起源は、プラナカン社会での女性観が起因しています。 女性が金銭目的や有名になるために舞台で演じることは、家族の不名誉な行為、タブーであると考えられていました。

Lye 氏の初舞台は、1984年の『Paneh Menantu』で、父親の役を演じました。1985年の『Buang Keroh Pungot Jernih』では、女性役に初挑戦。12年間のLye 氏の不在の間も、ファンは彼の復帰を願っていました。Lye 氏はインタビューで、「高齢であり健康に不安を覚えながらも健康が許す限り続けていきたい」と語りました。プラナカンの人たちの陽気で「人びとを喜ばせたい」という気質が強く表れている言葉でした。

Baba GT Lye が1980年代に女形の世代交代を成功させたように、今回舞台で共演する Kelvin Tan 氏 や Lee Yong Ming 氏 がプラナカン演劇の舞台でその役割を引き継いでいくでしょう。

プラナカンのポプリづくりを体験

インタビュー後には、Lye 氏自らがプラナカンのポプリ作りを実践してくれました。

これは、パンダンの葉です。パンダンは、きれいな緑色の菓子「パンダンケーキ」などの着色に用いられる葉っぱです。また、ポプリや籠、バッグにも使われます。

細かく刻んだパンダンリーフに、ローズウォーター、サンダルウッドの粉、パチョリの精油を加えてよく混ぜます。ジャスミンや薔薇の花びらを加えて、ポプリ用の袋に詰めて完成です。

また、手作りのニョニャ・クエなどのお菓子でおもてなしいただきました。左上のお菓子の青い色は、「ブンガ・トゥラン」という青い花を使っています。プラナカンに代々伝わるオリジナルレシピでは、青い色もひとしお濃いそうです。

プレスカンファレンスでもらってきたお土産と、作ったポプリです。鮮やかで豊かな色彩がプラナカン文化の魅力です。

プラナカン伝統演劇 [Wayang Peranakan]『ダブルフェイス – KAIN CHIK DUA MUNGKA – 』の詳細

公演の言語は、ババ・マレー(プラナカン)で、シーンを解説する英語の字幕が入ります。耳から入ってくる言葉は理解できないかもしれませんが、陽気で明るいプラナカンの人たちの気質を感じたり、立ち振舞いや華麗な衣装からプラナカン文化を楽しめるでしょう。当日は伝統的なプラナカン家庭料理、マラッカのデザート、プラナカン衣装やアクセサリーの販売が予定されています。

日時: 2017年8月25日(金)と26日(土) 14:00 と 20:00 の2公演

会場:Drama Centre Theatre

住所:100 Victoria Street, Level 3, National Library Building, Singapore 188064

主催:Gunong Sayang Association (GSA)

入場料:S$48 / S$58 / S$68

チケット販売:SISTIC http://www.sistic.com.sg/events/cmungka0817


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