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大人にも感染する!手足口病の原因と症状、予防法について

ウイルス性感染症の一つである「手足口病」。シンガポールでは年間を通して発症例が見られる感染症の一つですが、2013年の夏には日本でも流行しました。

「手足口病」は乳幼児がかかりやすい感染症として知られていますが、大人でも感染します。軽度で済むことが多いと言われているものの、場合によっては重症化するケースや死に至るケースも見られるので、決して甘く見てはいけない感染症です。

ラッフルズジャパニーズクリニックの林啓一先生に「手足口病」について教えていただきました。

「手足口病」の原因となるウイルスは?

手足口病の原因となる主なウイルスには「コクサッキーウイルスA16」と「エンテロウイルス71」があります。他にも数種のウイルスがこの病気を起こしますが、「シーズンごとで流行しているウイルスが異なる」というわけでもなく、数種が時期を同じくして流行ることが多いです。

つまり、一度手足口病になった人でも、別の種類のウイルスに対する免疫がなければ、また発症する可能性があり、日本でもひと夏で複数回「手足口病になる」という人もいます。シンガポールを含むアジア諸国全域ではほぼ1年中発症例が見られ、日本では主に夏に流行します。

「手足口病」の症状は?

手足口病は「手のひらや足の裏に小さな水疱(すいほう、水ぶくれ)ができる」というのが典型的な症状ですが、口はできない人もいますし、約半数は熱も出ないと言われています。水疱ではなく、小さな赤い発疹(ほっしん)だけのこともあります。症状の程度は様々で、軽くてすぐに治る人もいますし、口の中が痛くてしばらく食事が取れなくなる人もいます。

乳幼児も大人も症状の出方はほとんど同じですが、大人の方が重いことが多く、もともとアトピー性皮膚炎などがある場合は症状がひどくなる傾向があります。お腹が少しゆるくなることもあります。熱が出た場合はだいたい2〜3(1〜2?)日で下がり、水疱は約1週間くらいでなくなります

コクサッキーウイルスA 6の症状でよく見られるのが「治った後に爪がはがれる」という症状です。また、このウイルスでは手・足・口だけでなく、ひじやひざ、おしりなどに発疹が出る場合もあり、「水ぼうそう」と誤診されることもあります。

「手足口病」の治療法は?

特別な専用の薬はなく、治療は対処療法となります。すなわち熱には解熱剤、飲み食いが全く出来ないときは点滴、発疹がひどい時はスキンケアなどをしながら、自分の力で自然に治るのを待ちます。症状が軽い場合は受診する必要はありませが、初めて感染した場合や具合が悪い時は自己判断せずに受診することをおすすめします。

「手足口病」の感染を予防するには?

手足口病のウイルスは、発疹部分との直接接触、咳やくしゃみなどを吸い込んだ場合、便中のウイルスが何らかの形で口に入った場合に感染します。感染を予防するには手洗いが基本です。また、家族や親しい人が感染している時にはできるだけ接触を避けるようにしましょう。おもちゃやプレイルームを通じて感染することもありますので、利用後は必ず手洗いを心がけてください。特に手足口病が流行している時には公共施設の利用を控えることも予防策としてはおすすめです。

シンガポールと日本での手足口病に対する意識の違いについて

日本では学校保健安全法で学校感染症には指定されていますが、出席停止に関して厳しい決まりはなく、全身の状態がよく解熱後1日経過していれば水疱があっても登校・登園できることがほとんどです。

しかし、他のアジア諸国ではエンテロウイルス71による手足口病の死亡例が報告されているため、それらの国では手足口病は「要注意疾患」とされています。このウイルスによる手足口病は、過去10年間に世界全体で600万件以上、そのうち2,000人以上が死亡しています。このため、シンガポールの幼稚園や保育園では毎朝登園時にチェックがあり、症状が見られるお子さんは登園を拒否されます。園内で複数人が発症すると一時閉鎖になることもあります。現在中国や台湾ではワクチンも開発中です。

お話をうかがった人

ラッフルズジャパニーズクリニック
医師 林 啓一(はやし けいいち)先生
http://www.rafflesj-clinic.com/

※2013年9月に Healthy Beauty Journal に掲載された記事を加筆・修正しました。


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