Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay
Culture, Event

Century of Light: モネやルノワール など「光を描く」印象派画家たちの展覧会

ナショナル・ギャラリー・シンガポールでは、2018年3月11日まで、特別展示『Century of Light』が開催されています。『Century of Light』では、19世紀を代表する画家であるモネルノワールなど印象派画家の絵画を集めた『Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d’Orsay 』と同時代の東南アジアを代表する2人の画家の『Between Worlds: Raden Saleh and Juan Luna』を鑑賞できます。

印象派または印象主義は、19世紀後半のフランスに発した絵画を中心とした芸術運動であり、当時のパリで活動していた画家たちのグループが起源である。フランスの保守的な美術界からの激しい批判にさらされながらも、独立した展覧会を連続して開催することで、1870年代から1880年代には突出した存在になった。(Wikipediaより)

当時のフランスでは、歴史や神話、聖書の場面を描いた伝統的な絵画が高く評価されていました。印象主義やその前に生まれた写実主義のように、労働者階級の生活や市街や郊外の風景をありのままに描くことはサロンには受け入れられず、酷評されたのです。

『Colours of Impressionism』では、印象派の画家たちに大きな影響を与えたマネの絵画も展示されています。時代と共に変化する印象派絵画の発展をそのステージごとに鑑賞できる展示となっています。

印象派のはじまり – 黒い影から白い光へ

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

ルノワール(Auguste Renoir)作の『Madame Darras』。ルノワールは、スペインの画家ゴヤ(Francisco de Goya)に感化されたマネ(Édouard Manet)の一連の黒を多用した作品から影響を受けました。

印象派の先駆けであるヨンキント(Johan Jongkind)は、イーゼルを持ち出し屋外で絵を描きました。セーヌ川とノートルダム大聖堂が描かれています。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

シスレー(Alfred Sisley)の『ポール=マルリの洪水と小舟』。戸外で制作することで、印象派画家たちは刻々と移り変わる空や水面に反射する光を表現することができたのです。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

1872年に描かれた、左からシスレー、ピサロ(Camille Pisarro)、モネ(Claude Monet)の作品。いずれもセーヌ川の近くに住む画家たちが、自宅近くの風景を描きました。明るい色彩と生き生きとした筆遣いで、揺らめく光を表現しています。

寒さに耐えて研究された、雪原の光と青い影

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

印象派の画家たちは、寒い冬の日も凍えながら屋外で冬景色を描きました。真っ白な雪に降り注ぐ光を表すために用いた青や紫の影は非難の対象にもなりました。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

モネ作『カササギ』。柔らかく明るい光を黄色やピンクで表現した、冬の弱い日光のあたたかみを感じる作品です。

1867年に開催されたパリ万博に出展された浮世絵は、その鮮やかな色づかいと平坦で自由な構図が印象派の画家たちに影響を与えたといわれています。

絵の具の進化で画家は戸外へ、技法の発展にも貢献

印象派の時代の前は、屋外で絵を描くことは一般的ではありませんでした。屋外で描くことによって、風景と光の効果を見たままにキャンバスに落とし込むことができたのです。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

持ち運びのできるイーゼルや折りたたみ椅子も開発されました。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

新しく開発された人工顔料により、色彩の表現の幅が広がりました。1840年にはチューブ入りの油彩絵の具が登場し、簡単に持ち運びができるようになったことが印象派の誕生に大きな影響を与えたのです。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

ルノワール作の『モネの肖像』では、左手にパレットを持つモネの姿が描かれています。

パリから郊外へ、印象派の画家たちが描く風景画

色は混ぜると暗くなります。印象派の画家たちは、パレットで色を混ぜずに原色のまま使うことで明るさを追求しました。新しい顔料を生みだす化学の発達が、新しい技法の発展に直結していたのです。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

モネ作『アルジャントゥイユのレガッタ』。空、ヨット、川面の3つの異なる筆遣いストロークで、嵐の中で行われたヨットレースの様子を表現しています。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

ルノワールの『アルジャントゥイユのセーヌ川』。上のモネの絵とは異なり、穏やかな風景が広がっています。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

日本人にも人気のセザンヌ(Paul Cézanne)作『レスタックから望むマルセイユ湾』。ポスト印象派の画家に分類されるセザンヌですが、1878-1879に描かれたこの作品は、印象主義とされる時代のものです。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

ルノワールの作品。セーヌ川にかかる鉄道橋が描かれています。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

今回の展示のメインである、モネ作『睡蓮の池 バラ色のハーモニー』です。日本の浮世絵に影響を受けたモネは、1893年、ジヴェルニーに睡蓮の池と太鼓橋のある日本風庭園を造りました。

『睡蓮』はモネの代表作ですが、季節や光の異なる作品を200点以上も創作しています。1900年に描かれたこの絵画は、『睡蓮』連作のなかでは初期の作品になります。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

ルノワール作『バナナ園』。アルジェリアを旅した時に描かれた作品です。バナナの葉は、シンガポールに住んでいると親近感を覚えますね。

色彩理論を発展させた新印象派と後期印象派の作品

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

印象派の作品で用いられた鮮やかで明るい技法は、次世代の画家たちによって点描画として発展しました。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

モネ作『ルーアン大聖堂:扉口とサン=ロマン塔、陽光』。30以上の作品が残されているルーアン大聖堂の連作の1つです。

東南アジアの2人の画家「Between Worlds: Raden Saleh and Juan Luna」

同時開催の『Between Worlds: Raden Saleh and Juan Luna』では、インドネシア出身の Raden Saleh とフィリピン出身の Juan Luna の作品が展示されています。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

ラデン・サレー(Raden Saleh)の作品は大作が多く、細かな筆遣いでライオンや馬などの動物がいきいきと描かれています。ラデン・サレーは、1829年、当時インドネシアを統治していたオランダへと行きます。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

18歳からの23年間をヨーロッパで過ごした後、故郷のインドネシアに戻ってきます。ジャワの風景画もいくつか展示されています。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

フアン・ルナ(Juan Luna)は、1877年、20歳のときにヨーロッパへ留学しました。スペインとフランスで17年間過ごし、フィリピンに帰国しています。

Colours of Impressionism: Masterpieces from the Musée d'Orsay

当時の統治国であったスペインとフィリピンの関係を描いた作品も展示されています。

『Century of Light』開催概要

場所:ナショナル・ギャラリー・シンガポール(National Gallery Singapore)

住所:1 Saint Andrew’s Road, Singapore 178957

最寄り駅:MRT シティホール(City Hall)駅 出口B、徒歩7分

期間: 2017年11月16日(木) ~2017年3月11日(日)

開館時間:
土〜木:10:00 – 19:00
金:10:00 – 22:00

観覧料:
シンガポール人 / PR:15ドル
一般:25ドル

詳しくは公式サイトの「Admissions」 の項目でご確認ください。

公式Webサイト:
https://www.nationalgallery.sg/see-do/highlights/century-of-light


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